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世界中の電子機器に搭載され世界No1シェア”TRON”

2024年08月16日

皆さんこんにちは^_^

昨日の雷凄かったですね。少し涼しくなるかな?と

思いましたが、まだまた暑いです。

さて、今回は日本が誇るOS TRON について少し話をしたいと思います。

OSといえば、Windowsか、mac OSが有名ですよね。

パソコンOSでは、この2強ともいえますが、しかし、家電機器や産業ロボットなど、あらゆる機械で使用する組込み用OSでは、このTRONがほとんどを占めています。

TRONとは?

TRONプロジェクトは1983年頃、坂村健教授(当時は東京大学助手)が提唱し、開始された日本独自のOS開発プロジェクトです。

TRONとは「The Real-Time Operating System Nucleus」の略です。

日本語でいうと「リアルタイム(実時間)で機器を作動させるOSの中心部分」という意味です。

TRONプロジェクトの出発点

坂村教授は、電球から人工衛星まであらゆるモノにコンピュータが入り込み、ネットワークでつながると予想しました。

それぞれの機器に組み込まれたコンピュータの動きを統一するために、OSを標準化させるというビジョンを提示しました。

それがTRONプロジェクトの出発点となったのです。

このような考えは、現在では「ユビキタス」と呼ばれています。

また、その仕組みは「IoT」(Internet of Things:モノのインターネット)と呼ばれて注目されています。

坂村教授の発想は、30年以上未来を先取りしていたことになります。

しかしなぜ?このTRONが、PCのOSの標準にならなかったのか。

B-TRON:パソコンOSとしてのTRON

B-TRONは、「Business TRON」の略です。

今でいうところのパソコン向けのOSで、事務処理などに使われることを想定したものです。

1985年に坂村教授と松下電器産業(現、パナソニック)の主導でB-TRONの開発がスタートしました。

B-TRONは、当時としてはかなり先進的なOSでした。

例えば、当時のOSの多くが文字でコマンドを入力する方式でした。

それに対して、B-TRONはマウスを使ってアイコンをクリックしソフトを起動する、今のパソコンと同じ方式を実現していました。

B-TRONの開発と同時期に、学校教育へのコンピュータ導入が検討されていました。

1986年、旧通産省、旧文部省の関連団体CEC(財団法人コンピュータ教育開発センター)は、日本の学校教育用標準OSとしてB-TRONの導入を検討しました。

このニュースは大きく取り上げられ、多くのパソコン・メーカーが次々に参入しました。

そんな中で、あまり乗り気でなかったのがNECでした。

マイクロソフトのOS「MS-DOS」を使ったパソコン「PC98」シリーズで、すでに成功を収めていたからです。

NECは、教育用パソコンの標準化自体にも反対の立場を取っていました。

最終的には、MS-DOSでもBTRONでも動くパソコンを作ることで合意しました。

潰されたTRON

日本国内では、小学校の教育用パソコンへTRONの導入が決まりかけていました。

そんな矢先、1989年にアメリカからスーパー301条に引っかかるとして圧力がかかりました。

1989年4月21にアメリカ合衆国通商代表部(USTR)が発行した、「外国貿易障壁報告書」にTRONが名指しで記載されました。

1980年代後半は、日本の経済力が急激に伸びた時期で、アメリカとの貿易摩擦問題が発生していました。

そうした時代背景での出来事でした。

この動きにトロン協会は、USTRに対して文書による抗議を行いました。

その結果、1年ほどしてTRONは制裁対象から外れますが、メーカー100社近くがTRONから手を引きました。

厄介なゴタゴタに関わりたくなかったということでしょう。

結局、実際に学校教育で導入されたのは、PC-9801をはじめとするMS-DOS搭載のパソコンで、TRONは排除されてしまいました。

TRONがパソコンOSとして普及するチャンスは潰されてしまいました。

しかし、6つのプロジェクトの中で「I-TRON」は現在でも生き残って発展しています。

I-TRONは、「家電機器」「ロボット」などに組み込むコンピュータ用のOSでした。

現在のI-TRONには2つの仕様があります。

  1. 大規模組み込みシステム向け「ITRON2」
  2. 小規模組み込みシステム向け「μITRON」(マイクロアイトロン)

このうち、μITRONは省エネ・高速処理に優れ、様々な機器に採用されて搭載数世界一のOSに成長を遂げました。

坂村健教授は、世界で最もITに貢献した6人に選ばれています。

受賞した6人の中には、ビル・ゲイツやインターネットの原型ARPANETをつくったロバート・カーンもいます。

日本には、本当に凄い方が多く誇らしく思います。

今は普通に、リモート会議や、会社でも一人1台が当たり前になっていますが、20年前までは考えられないことですよね。

5年後、10年後どうなっているのか、想像もつきません。

ITの力で、住みやすく幸せな世の中になってほしいですね。

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明光堂ブログ担当 投稿者:明光堂ブログ担当
2024年08月16日 08:07
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